桜ノ籠 -サクラノカゴ-

「やめて……謝らないで。あなたが、謝らないで……
謝らなきゃいけないのは、私…私なのよ……」


溢れる涙を両手で覆い隠し、
瑛李香さんはその場に泣き崩れた。


「瑛李香さん!?」


驚いて駆け寄ると、
そのやせ細った体に、更に驚く。


もとからすらりとした人ではあったけど、
こんなにも、

腕が細かった?

こんなにも、弱々しかった?



「ごめんなさい、ごめんなさい……ごめんなさ、い……」


繰り返す、弱々しく震えた瑛李香さんの声に、

瞼の奥が熱って、
溢れそうになる涙を、必死に堪えた。



ここで、泣くわけにはいかない。

私が、泣いてはいけない。




そう、思った。





< 377 / 467 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop