金魚姫
翌日までヨータは考えたけれど涙の理由がわからなかった。


もう一度彼女に会って疑問を解こう。
僕のせいなら誤りたいし‥

昨日と同じ時間にヨータとムサシは散歩に出掛けた。

今日もビーチボールはかならずあそこに浮かんでいる、と不思議な自信があった。


いつもの自販機でコーラとポカリを買ってプールへと急いだ。


校門をくぐり、体育館を回ってプールへ向う。

体育館はバレーの練習が休みらしく静まり返っている。           庭のひまわりはみんなそっぽをむいている。


期待と不安と駆け足で少し乱れた呼吸をととのえて、ムサシの後に付いてプールに続く階段を上がった。
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