心の中の宝物
なんか冷たい・・・

私はゆっくりと目を開けた。

「あっ起こしちゃった?」

見覚えのある顔。

私は思いっきり抱きついた。

「亜美!やっと会えた。良かった。本当に良かった。」

一ヶ月ぶりの亜美の顔。

亜美・・・

私亜美の事信じてよかった。


「桜・・・あんたは馬鹿だよ。あんな暑い中ずっといて!日射病にもなるよ。」

亜美は泣いていた。

本当に心配してくれてるんだね。

それで十分だよ。


あんなに辛かった三日間が亜美の涙で溶けていった。

「亜美がずっと連絡くれないからじゃん。ねぇ、何があったの?亜美の心の中にはどんな闇があるの?」

亜美は答えてくれない。

「亜美!私は亜美にとっての何?亜美はいっつも私の悩みを聞いてくれた。一緒にいてくれた。私は亜美の事を心の中から信頼し合える心友だと思ってた。でもね、この三日ね亜美の事を考えながら待ってるとね、そう思ってたのは私だけなんじゃないかと思えてきたの。私は亜美の事を何も知らない。いつも話を聞いてくれるばかりで・・・亜美が私を助けてくれたように私も亜美の事を助けたい!」

私は自分の気持ちを全部亜美にぶつけた。

これで話してくれるかわからない。

でも私はずっと信じるから。


「桜。ありがとう・・・ごめんな。私は充分桜に助けられたよ。桜がいなきゃ私はもっと罪を犯してたかもしれない。でも、過去の私を桜が聞くと・・・絶対幻滅すると思ったんだ。」

「ズー。そ・・・そんなこと・・・ない。」

私の目からも涙が出てきて止まらない。

「そうだよな。私は最初から桜を信じてなかったのかも・・・な。桜は私の事を信じて待っててくれたのに・・・。私の話を聞いてくれる?」

私は何回も何回もうなずいた。

初めて亜美が自分のことを話してくれる。

私よりもずっと悲しい過去かもしれない。

でも私は亜美を受け止めたい!


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