心の中の宝物
「桜にはさ、お母さんが小さい頃に死んだって言ったよな?」
「うん。」
私たちが会った最初の日だったね。
「でも本当は小6の頃自殺して死んだんだ。」
「え?嘘・・・」
な、何で自殺なんか・・・
「最初はさ、すごく温かい家庭だった。友達が羨ましがったりしてさ。私にとって自慢の家族だったんだ。でもだんだん悪くなっていって親父は母さんを泣かせてばっかいた。それで・・・小学六年の頃かな。親父が1000万の借金作っちまって・・・」
そこで亜美は言葉を詰まらせた。
私は何も言わなかった。
いや・・・
言えなかったんだ。
「私の家族に・・・返せるお金も・・・なかった。それで・・・親父は・・・ウウ・・・」
「ゆっくりでいいよ。ゆっくりで・・・」
亜美は首を横に振りまた話し始めた。
「それで親父は母さんにお前が悪いんだ。お前がなんとかしろ!って言ったんだ。別に母さんが悪かったわけじゃない。親父が勝手に作ったんだ。でも親父は母さんを責めた。それで母さんは自殺した。遺書にな、私の保険金で借金を返してください。って書いててさ。」
亜美の過去は私が想像するよりもずっと苦しいものだった。
口では言い表せないぐらいに・・・
「それ以来親父は一回も家に帰ってきていない。母さんを殺したのは親父だ。だから何があっても私は絶対に許さない!それ以来私は人を信じきれなくなった。そこまでした母さんも母さんだ。離婚しちゃえば良かったのに・・・そうしたら・・・今でも・・・会えた・・・の・・・に・・・。グス」
私は思いっきり亜美を抱きしめた。
亜美は全然強くなかったんだね。
こんな細い体で全部受け止めていたんだね。
私たちは一緒に泣いた。
亜美の苦しみは私の何倍もの苦しみだ。
私には家族いる。
一回はやばかった家族だけど今はとても暖かい家族だ。
でも亜美には・・・誰もいない。
「うん。」
私たちが会った最初の日だったね。
「でも本当は小6の頃自殺して死んだんだ。」
「え?嘘・・・」
な、何で自殺なんか・・・
「最初はさ、すごく温かい家庭だった。友達が羨ましがったりしてさ。私にとって自慢の家族だったんだ。でもだんだん悪くなっていって親父は母さんを泣かせてばっかいた。それで・・・小学六年の頃かな。親父が1000万の借金作っちまって・・・」
そこで亜美は言葉を詰まらせた。
私は何も言わなかった。
いや・・・
言えなかったんだ。
「私の家族に・・・返せるお金も・・・なかった。それで・・・親父は・・・ウウ・・・」
「ゆっくりでいいよ。ゆっくりで・・・」
亜美は首を横に振りまた話し始めた。
「それで親父は母さんにお前が悪いんだ。お前がなんとかしろ!って言ったんだ。別に母さんが悪かったわけじゃない。親父が勝手に作ったんだ。でも親父は母さんを責めた。それで母さんは自殺した。遺書にな、私の保険金で借金を返してください。って書いててさ。」
亜美の過去は私が想像するよりもずっと苦しいものだった。
口では言い表せないぐらいに・・・
「それ以来親父は一回も家に帰ってきていない。母さんを殺したのは親父だ。だから何があっても私は絶対に許さない!それ以来私は人を信じきれなくなった。そこまでした母さんも母さんだ。離婚しちゃえば良かったのに・・・そうしたら・・・今でも・・・会えた・・・の・・・に・・・。グス」
私は思いっきり亜美を抱きしめた。
亜美は全然強くなかったんだね。
こんな細い体で全部受け止めていたんだね。
私たちは一緒に泣いた。
亜美の苦しみは私の何倍もの苦しみだ。
私には家族いる。
一回はやばかった家族だけど今はとても暖かい家族だ。
でも亜美には・・・誰もいない。