ひまわり畑と彼の記憶(短)





「ごめんな、」


謝る成くんに、私は勢いよく首を振った。


「今日、佐々木から電話あったんだ。タマがここに行くって、方向音痴だから迷ってるかもって、それだけ言って切られた」



『方向音痴だとは聞いてたけど--』



少し前に感じた違和感はこれだったんだ。


亜衣に聞いて、わざわざ私を探してまで会いに来てくれたってこと?

なんで、そんなこと。


「タマには、絶対に会っておきたかった」


私の心を読んだように、成くんは的確な答えをくれる。





「……俺、結婚するんだ」





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