恋心
あの日も、いつもとかわらない日々の、六月のただの一日になるはずだった。




「はああ、徹ちゃんもうやめて。」


私の部屋で、いつものように、キスし続ける徹ちゃん。


「なんで?
嫌?
気持ち悪い?」


「嫌なんて思わないよ。」


「じゃあ、気持ち悪い?」


後から後からふってくるキス。


背中を上から下へ、下から上へとなでる優しい手。


気持ち悪い事なんて、なにもない。


「気持ち……い…い…よ。」


「ああ、恵理。
素直でかわいいよ。」


徹ちゃんの低い声が、耳元でささやく。


そして、優しい笑みで、キスが続いていく。



ーゴロゴロー


「徹ちゃん、雷なってきたよ。」


「大丈夫だよ。
俺がいるから怖くないよ。」


うれしいけど、


「違うよ。
早く帰らないと雨ふってくるよ。
今日は豪雨だって天気予報でいってた。
いくら家すぐだって濡れないほうがいいでしょう。」


「濡れるのなんて。
それより雷なってるのに、恵理を一人置いていくわけないだろ。」


一人って。


家政婦さんいるから。




ザァーザァーザァー


突然大きな雨の音。
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