恋心
なにがおこってるの。


わからない。


怖い。


私と徹ちゃんは返事が出来ない。


「しっかりしなさい。
二人のお母さんなんでしょう。
徹くん、おばさんとリビングに運んでから、家に戻ってお母さんと自分の着替え持ってくる。
恵理ちゃん、リビングに暖房入れて、バスタオルあるだけ持ってきて。
わかった。」


安部さんに怒鳴られ、やっと体が動く。


私はリビングへ行き暖房を入れて、バスタオルを取りに脱衣所へ向かう。


「恵理ちゃん、服脱がすの手伝って。」


バスタオルを持ってリビングへ入ると、安部さんがお母さんの服を脱がせていた。


私も手伝うが、お母さんは震えていて、濡れて張り付いた服は、なかなか脱ぐ事が出来ない。


「榊さん、聞こえる。
今徹くん、服持ってくるから、着替えますよ。
すぐ暖かくなりますからね。
もう大丈夫ですからね。」


お母さんの返事はない。


ただ震えて、ぼーとしている。


「ほら恵理ちゃん、恵理ちゃんも声かけて。」


安部さんにいわれても、何て言っていいかわからない。

「お母さん、お母さん…。」

私は泣きながら呼び続けた。
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