恋心
ビショビショの服を急いで着替えて、ドライヤーを持ってリビングへ急ぐ。


「母さん、母さん、母さん。
しっかりしてくれ、
どうしたんだよ。」


リビングでは、必死に徹ちゃんが毛布のうえからさすっていた。


「恵理、どうしよう。
母さん震えがとまらないんだ。」


言っている徹ちゃんの体も、震えていた。


「………はい、はい、わかりました。」


安部さんが受話器を置く。

「連絡ついたわよ。
徹くんのお父さん、すぐ来てくれるって。
恵理ちゃん、お母さん今こっちに向かってる途中で、あと5分ぐらいで帰ってくるって。
あと少し、二人ともがんばって。」


「うん、安部さんありがとう。
かあさん…かあ……さん。
もう大丈夫だからな。」


徹ちゃんが泣き出した。


私もまた涙が出てくる。


「あっありがとう、安部さん。」


「泣かない、泣かない。
まだやることあるでしょう。
ほら恵理ちゃん髪の毛かわかしてあげて。
徹くん手止まってるよ。」
< 46 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop