恋心
ーピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーンー
連続に鳴りつづける音。
「榊さんきたようです。
開けてきます。」
安部さんが行くより早く、徹ちゃんが駆け出した。
「どうしたんだ?」
「父さん、母さんがおかしいんだ。
なに言っても反応なくて…。」
徹ちゃんとお父さんがリビングへ入って来た。
「藤堂さんお世話になります。
いったい何があったんですか?」
「今はっきりしたことはわかりません。
榊さん、タクシーは?」
「今待ってもらってます。」
「すぐ病院へ連れていきます。」
お母さんと話しながら、徹ちゃんのお父さんは、変わり果てたお母さんの手を握る。
「おい、俺がわかるか?
痛い所あるか?」
優しく声をかけた。
すると、今までなんの反応も返さなかったのに、顔をあげて、お父さんをみつめた。
「どうした?
もう大丈夫だからな。
俺が側にいるから。」
一瞬、目が大きく開いた。
「いやー。」