恋心
「いやー、いやー、いやー。」


さっきまで何も反応がなかったのが嘘のように、暴れだした。


「おい、どうしたんだ。」


「やー………。」


徹ちゃんのお父さんが押さえようとすると、さらに激しく暴れた。


「どうした、俺だ、しっかりしろ。」


突然動きが止まった。


「どうして、どうして…。」


小さな声で何度もつぶやく。


「なんで、なんでなのよ。」

今度は大声で叫び出す。


「どうした?」


やさしく声をかけ、触れようとした手を振り払えられる。


「私、いたの。」


「私、いたのよ。」


「私、いたのに。」


「私…………。」


「私…………。」


血走った目で、壁を見つめる。


私と徹ちゃんは動けなかった。


動く事が出来なかった。
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