恋心
救急車に運ばれたのに、なかなか出発しない。


「落ち着いて、誰か連絡つく人いる?」


警察官が聞いてくる。


「おっお母さん、連絡、お母さん。
ひっはっ、携帯、連絡。」


「落ち着いて、あの男の子はお兄さんになるのかな?お兄さん、パニック起こしててだめなんだ。
君が頼りだから。
落ち着いてね。
携帯あるの?」


「けっ携帯、連絡、お母さん待ってる。」


私はポケットから携帯をだそうとしたが、手が震えて取り出すことが出来ない。

「ポケットにあるの?
僕がとるよ。
携帯開いていいかい。」


私はうなずいた。


「短縮、さっ三番。」


「三番ね。
話せる?」


私は首を横にふる。


「恵理みつかったの?」


携帯からお母さんの声がする。


「もしもし、こちらは………。」





「はい、携帯、ポケットに入れるよ。
電話の相手が君のお母さんなんだね。
すぐ来るって。
大丈夫?」


「ひっく、お母さんの、お母さんのとこ。」


「あぁ、救急車の所に行きたいの?」


私は必死に頭を縦にふる。
< 56 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop