幸せという病気
すみれが電話に出ると、武は息を切らしながら居場所を聞いた。


「ハァ、ハァ・・・どこ?今」


「見てるよ?二人が走ってるの」


少し暗い声ですみれは話す。



「見てるって・・・」


車に戻って行ったはずのすみれは、車には戻らず一人、浜辺に武達を眺めていた。

武が伺う。




「えっ・・・どこにいんの?」




「・・・見つけてよ」




「え?」




「勝手に遠くに行っちゃうから悪いんだからね・・・?」





「・・・おい・・・」





「私だって、寂しくなるよ・・・」











そのまま電話が切れた――。












「・・・香樹・・・車でばぁちゃんと待っててくれ」





「うん」









武は香樹を車に連れていき、浜辺を探した。








辺りを見渡しながら、すみれの名前を呼ぶ。









と、武の携帯が鳴った。







「ハァ、ハァ・・・もしもし!?」





「見つかった?」







電話はすみれだった。








「ハァ、ハァ・・・いや・・・見つかんねぇ・・・」







「そこから右見て」








「えぇ?」








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