幸せという病気
武が右を見ると、すみれは岩陰に隠れる。
「・・・何?右にいんの?」
「さぁ・・・」
「・・・なんか夏っぽくなってきた・・・」
「好都合じゃん」
「服脱ぐか・・・」
「え・・・寒いって・・・」
そう言いながらすみれは、岩陰からちょこんと顔を出した。
「あ―――!!」
「・・・逃げるね・・・」
「なんで!?」
武が電話を切り、すみれのいる方向に走り出すと、一方のすみれもヒールでめいっぱいに武から逃げる。
「待てって!」
「嫌だ!」
武はすぐに追いつき、すみれの手を取った。
「ハァ・・・ハァ・・・なんで逃げんだよ・・・」
「・・・だって・・・追うから・・・」