幸せという病気

「・・・ハァ・・・ハァ・・・一人じゃ何にも出来ねぇのか・・・」

「あぁ!?てめぇ今の状況わかってんのか!?」

「ハァ・・・ハァ・・・わかってたまるかバカヤロー!!」

「・・・いってぇなぁ・・・謝れよ」

「ハァ・・・ハァ・・・」

「・・・」



竜司の目に一瞬、男は恐怖を感じる。



「おっ・・・おい・・・血まみれじゃねぇか・・・ホントは友達のそんな姿見たくねぇんだよ竜司。頼むから謝れよ」



「・・・ハァ・・・ハァ・・・友達だぁ?」



「そうだよ。友達じゃねぇか」



「・・・誰と誰がだよ」



「俺と竜司・・・お前だよ」



「・・・俺の名前・・・二度と呼ぶなカス・・・」



男は竜司から目を逸らせぬまま、一歩後ずさる。

そして、座ってシンナーを吸いだした。



「逃げんのか・・・そうやってまた・・・」



竜司の言葉に、男は手が震えだす。



「・・・おい・・・やっちまえ・・・」



「おらぁ!!」



男のその言葉で、後ろにいた集団が一斉に竜司に殴りかかった。




そして、シンナーを吸いながら、男は小さな声で呟く。



「・・・殺すなよ・・・?竜司は友達だからよぉ・・・」



意識を無くしかけながら、男の声を聞き取った竜司は、めいっぱいの声で腹から叫んだ。




「俺の名前呼ぶんじゃねぇ!!クソ野郎ーっ!!」



「・・・なんでこんな震えんだよチキショー!!・・・」




男は、座ったまま震えが止まらず、シンナーを吸い続けた。




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