幸せという病気



すみれはタクシーの中、数時間前から続いていたお腹の痛みを気にし出す。
両手で温めるように押さえ、ゆっくりと目を瞑ると、目の奥で期待と不安が駆け回り、暗闇の中で両者がクラッシュした。




とっさに目を開くと、すみれはその異変状態の意味に気が付く。


















そして、すみれの行き先は、武と二人で行った夜景の見える想い出の場所だった。




















やがてタクシーを降りると、武の姿を探す。














そこに武がいる確証なんて無かった。















ただ、会いたくて・・・。

















そこでなら・・・会える気がした。















一つだけ確かな事は・・・。
















痛みで目を瞑る度・・・そこで横たわる武の姿が浮かび上がる事・・・。

















単なる想像ではなく、リアルに描かれたその光景は、すみれの中に潜む一つの真実を物語り・・・確実に脳と時間を蝕んでいく。





























「・・・武・・・どこ・・・?」























それは、ついに姿を現した・・・幸せ病だった――。
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