幸せという病気
《兄ちゃんはずっと・・・香樹が大人になって、もう大丈夫だよって言うまで・・・香樹の夢の中にいる》


《・・・夢の中?》


《うん。その代わり、大人になるまでの間だよ?・・・夢の中でいつでも楽しかった事・・・辛かった事・・・なんでも聞いてやる・・・》


《・・・でも僕・・・どうしたらいいの?》


《寝る前に・・・香樹がお兄ちゃんと話したいって・・・そう想うだけでいい。そしたら・・・兄ちゃんはいつでも、香樹の夢に現れてやる》











「そうそう。多分あれと一緒。きっと子供の純粋な心とは、すぅーって、気持ちが繋がれるんだよ」








遥がそう返事をすると、竜司は手紙の裏を見た。






「・・・遥・・・これ・・・」










「・・・えっ・・これは・・・いつ書いたんだろ・・・?」

















裏には、大人の字でメッセージが記載してあった。









《今、小さい頃の手紙見返してみたら一個訂正がある。たまにケンカもするじゃなくって、いつもケンカするだった・・・。今日の家庭訪問で香樹の夢聞いた時・・・おまえを守って幸せにしたいってやつ・・・あれには泣けた・・・まぁ、とりあえず、これをおまえが読む頃・・・俺ら、幾つになっててどんな暮らししてんのかはわかんねぇけど、変わらないといいな。早くいい男でも見つけて幸せになれよっ!!》
















そして竜司が小さな声で遥に呟く。











「これを書いたの・・・幸せ病が始まる前だね」









「うん・・・」









そして遥はコクっと頷き、続けて話し始めた。
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