幸せという病気
「・・・そして今日は・・・もう一組、一緒に結婚を祝ってもらいたいカップルがいます・・・・・そこにいるすみれさんと・・・・・・・兄のです・・・」
すみれは椅子に座りながら・・・それを聞くと目を瞑り武の姿を想像し始める。
「二人はとっても仲良しで・・・いつも一緒に笑ってました。すみれさんは弟の香樹の担任の先生で・・・兄は、しがないただの、いやっ、普通のサラリーマンでした。初めて出逢ったのは、香樹の家庭訪問です。うちの兄は単純だから、綺麗で大人っぽいすみれさんをすぐに好きになったみたいで・・・なんかすぐに告っちゃったらしいです・・・私もびっくりしました・・・まぁっ!でも優しいすみれさんは、ちゃんと真剣に考えてくれて、やがて二人は付き合う事になりました」
そして、竜司がCDデッキを用意し始めた。
「・・・そして聞いてもらいたいCDがあります」
遥が合図をすると、竜司は再生ボタンを押し、スピーカーからザーっという音が流れ始める。
「・・・竜司っ・・・早送り、早送りっ・・・」
小さな声で遥が竜司にそう言うと、竜司は「了解」と合図をしながらCDを早送りした。
しばらくして・・・。
《・・・え~・・・ぶっちゃけて言うと、まぁ・・・死にたくねぇ・・・》
スピーカーから、武の声が流れ始めた。