幸せという病気
《そして俺は、すみれに出逢えた事が・・・俺に与えられた運命の中で、最高に嬉しい事だった・・・すみれは、最初すげぇしっかりした感じだったのに、話してみると明るくて素直で・・・って言ってもまぁ、しっかりしてんだけど・・・意外とすぐ泣くくせにつよがり言ったり、一人で我慢しようとしたり・・・でも子供がすげぇ好きでさ・・・自分に嘘がつけなくて、何より優しくて思いやりのある子・・・》
「・・・そんな事ない・・・」
スピーカーから聞こえる武の声を聞き・・・小さな声ですみれが呟く。
《・・・・・・そんな子を・・・・俺は離すわけにいかねぇんだ・・・・》
それを聞くと、すみれは声のするデッキの前へと歩み寄った。
《・・・ってなわけで・・・今からすみれの家の近くにある公園へ行ってきます・・・なんか、遥が大事なモンをそこに忘れたとか言って・・・まぁ、遥のモンじゃなくて・・・それは俺の大事なモンなんだろーけど・・・》
「・・・もぉ・・・また泣いちゃったじゃん・・・」
やがてすみれは目を瞑り、デッキに両手を添え、武の笑顔を想像すると、二人きりの世界を作るように小さな声で呟く。
そして、自分へ向けた愛を心に刻むと、最後に笑顔でお礼を言った。
《恥ずかしくて、面と向かってこんな事言えねぇけど・・・まぁ、新曲も出来なかった事だし、これが俺の今のベストアルバムって事にします・・・》
「・・・ありがとぉ」
やがてCDが終わると、すみれは遥のもとへとやってきた。