幸せという病気
「うん・・・急に陣痛が始まったみたいで・・・」
緊張しながら遥が受け答えると、
「・・・頑張ってくれ・・・すみれさん・・・」
竜司はそう言いながら下を向いた。
すると、遥がみんなはまだ来ないのかと伺った。
「うん・・・雪も降ってきたし、おばあちゃんと香樹はちょっと遅れるって」
そう、竜司が答えると、遥もまた不安げな顔をする。
「・・・遥?大丈夫か?どうした??」
その顔を見て竜司が心配すると、遥は小さな声で呟いた。
「みんないないと・・・」
「ん?」
「・・・なんかわかんないけど・・・嫌な予感がするの・・・」
その時、竜司の脳裏に・・・幸せ病が現れた――。
遥が続ける。
「・・・すみれさん・・・これまで発作は無かったけど・・・ホントに幸せ病・・・消えて無くなったのかな・・・」
「えっ・・・」
「・・・幸せ病はタイミングを見てやってくるから・・・もし今、顔を出すようなら・・・お母さんも赤ちゃんも・・・」
「まさか・・・大丈夫だよ。あの時、武さんがすみれさんの病気・・・ちゃんと吹き飛ばしたはずだよ・・・?」
「・・・うん・・・そうだと思うけど・・・でもね?あの時、お兄ちゃんが言ってたの・・・」
遥と竜司は、武の最期を思い出す。