幸せという病気
「竜司!!!最悪の場合、何!?」
「・・・最悪の場合、命を落としかねないって・・・さっき先生も言ってた・・・」
「―――」
「しかも母子共にだ・・・」
遥はそのまま、病院を飛び出る。
やがて家にまで戻ると、祖母が病院へ行く準備をしていた。
「おばあちゃん!!」
「遥・・・どうしたの?そんなに急いで。まさか、もう産まれたのかい!?」
「違うの・・・すみれさんが・・・」
遥が事情を説明すると、祖母も不安な顔をした。
「・・・おばあちゃん。香樹は?」
「それが・・・こっちも今、ちょうど香樹が熱を出して・・・」
「熱!?」
祖母もまた、風邪をひいた香樹の様子について話した。
「さっきまでは、ひどくなかったのに・・・急に熱が出てきてね・・・今から香樹も病院へ連れて行こうと思ってたところなんだよ・・・」
「・・・今、香樹は?」
「今は眠ってる・・・」
一方、竜司は茂に電話を掛けていた。
「波川さん。俺です、竜司です」
「おー。この間はすまなかったなぁ」
「え?」
「結婚式にまで呼んでもらって」
「いえ・・・そんな事よりすみれさんが・・・」
竜司が状況を説明すると、茂は電話の向こうで小さく呟く。
「そうか・・・新しい命が誕生するって事ほど・・・きっとこの世の中で幸せな事はないのかも知れない」
「はい・・・」
「昔から命は大事、大事って口では簡単に言うけどな・・・ホントに痛感するよ、幸せ病と出会ってから、命ってモンの大きさや大事さをさ・・・・・・よしっ。ワシもすぐに行く。みんなでその子の命を願ってあげよう」
「お願いします」
一方の伊崎家では・・・。