幸せという病気
「幸せ病の残り火がこの出産に絡んでたとしたら・・・すみれさんの負担、半端無いんじゃないかな」
竜司がそう言うと、その時、看護師が慌しく部屋を出てきた。
「すいません!!・・・赤ちゃんは!?」
遥が状況を伺うと、看護師は立ち止まり、笑顔を作ってそれに受け答える。
「今、お母さん・・・すごく頑張ってますから・・・」
「すみれさんも赤ちゃんも・・・大丈夫ですよね・・・?」
すると、遥の問いに看護師は少し顔を曇らせた。
「・・・はい・・・初産ですので時間は掛かるかと思います・・・ただ、母体の体力がかなり低下してきている状態で・・・」
「え・・・?」
「このまま異常分娩が続けば・・・分娩停止も考えられます・・・」
「そんな・・・」
「・・・私達も全力を尽くしますので」
そう言うと、そのまま看護師は急いで廊下を駆けて行った。
そして厳しい状況を知ると、遥の不安はどんどん加速していく。
「・・・すみれさん・・・みんなで応援してるからね・・・お願い・・・頑張って・・・・・・」
竜司はその小さな遥の声を聞くと、静かに遥の手を握った。
「・・・遥?大丈夫。みんなでこうやって願ってるんだから・・・絶対大丈夫だよ」
「・・・想いが・・・足りないのかなぁ」
「え?」
その瞬間、遥の口から弱音が出てしまう。