龍の女神となるべき姫【上】
ムカムカしながら歩いていると。
「亜美」
『何よっ』
振り向くと同時に、ポンと頭に乗せられる手。
「合格だ」
『合格?』
「俺はいくら拓也の頼みだろうと、転入生は面倒くさくて仕方がなかった。
だから、お前に会ってからずっとお前を試してた」
『それで、合格をもらえたと?』
「あぁ。お前は俺の大切な生徒の1人だ。
全力で守ってやるよ」
先生はそう言うと、掛けていた眼鏡を、開いてる窓から放り投げた。
そして笑った。
にやりとした嫌味な笑顔じゃなく、あたたかな笑顔。