龍の女神となるべき姫【上】


男の子は、しばらくぼんやりとしたあと、




「あっ!!」




と言って、立ち上がった。




「ん?留衣、知り合いか?」



「さっき会ったんだ。
ねぇ、僕の後ろの席にその子来る?」



「あぁ。
ちょうど席が空いてっし、そこにするか」




というわけで、私の席は窓側の1番後ろになった。




「ねぇ」と、あの男の子が声を掛けてくれる。




「僕は富山留衣[トヤマ ルイ]っていうんだ。
えっと、名前教えてくれないかな?
さっきまで寝ちゃってて」



『成瀬亜美だよ。
あ、さっきは本当にありがとね』


< 35 / 303 >

この作品をシェア

pagetop