あたし、脱ぎます!《完》



改札口を出ると、

真鍋さんが
迎えに来ていた。


あたしの姿を見ると
ニコニコと

手を振っている。



「お待たせしました♪

おはようございます」



さっきまで
淳平くんとのデートを思い描いていたせいか、

自然と明るい声になった。



「おはよう。
朝早くから御苦労さま。

早速だけど、スタジオに向かうよ」



真鍋さんは
あたしの持っているボストンバッグを
軽々と持ち上げ、

「こっちだよ」と歩き出した。


車で
30分ほど走ると、

スタジオに辿り着いた。


今日はここで

『宣材写真』というあたしを売り出すための写真を撮るらしい。


重い鉄の扉を開けると、

「いらっしゃい♪」と
女性の声が聞こえた。

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