女番長


「もしもし。」

「あっ、真希ちゃん?」

「はい…。」

「俺の事覚えてる?警察の…。」

「あっ!刑事さんですか。びっくりした。」


刑事さんは、電話の向こうで笑った。

「はは。いきなり名前呼ばれたら誰だってびっくりするよね。ごめん。」

「いえ。大丈夫です。」

「それにしても、元気そうでよかった。」

「はい、おかげさまで。」

そこからちょっと話をして、刑事さんが急に変なことを言い出した。


「真希ちゃんさ、これからどうしていくつもり?」

「え?何でですか?」

急な質問に、あたしは一瞬びっくりした。


「だって、お父さんお母さんの財産も、ずっとあるわけじゃないんやし…。」



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