リリアルリリリリ
長はイルに近づいた。近づく途中で、牛乳を踏んで、ネチョっと足についたが、気にしない。
イルはかろうじて意識を保っている状態だった。
「イルよ、なぜ牛乳屋になった瞬間、強くなった?」
「…牛ー乳ーに相談だ…、だからです。」
「なるほど」
「牛乳を…飲みすぎて……何度腹を壊したか……」
イルは今までの長の怨み辛みを、言い出し始めた。
「…腹を壊して……トイレで何度………あの不快の音を…聞いたか………尻が痛くなるのを……耐える日々…あなたにわかりますか?………でも、私は牛乳を飲み続けた……牛乳が好きだから……私は牛乳が大好きだから!!!」
「…イル」
長は感動した。実況中継を観ていた人々も感動した。イルは、どんな苦痛を味わっても牛乳を愛していることに。
「長……あなたは一つだけミスを犯しました………それは………人生で…一回も牛乳を…飲まなかった…こ…」
ここでイルの言葉は途切れた。
辺りは静寂が支配し、物音一つ聞こえなかった。