妖魔04~聖域~
今のところ、俺を家に連れて行くのは難しい状況か。

「刃さん、約束です。家に来てください」

父親に背を向けて歩き出す。

父親は千鶴の背中を見ているだけだ。

俺は足を止めている。

面倒くさい。

近所に住んでいるというのであれば、再び家族のイザコザに遭う可能性もある。

使命の他に疲労を負いたくはない。

「葉桜千鶴」

「何ですか?」

足を止めて俺を見る。

口調には怒りが満ちている。

「一つ約束をしろ」

「何をですか?」

「後日、父親と話をしろ」

「刃さんは、関係ないと言いましたよね?」

「関係はない。だが、お前等家族のやり取りで迷惑がかかるのは他の奴等だ」

問題解決は難しい。

だが、何もしなければ難しいどころではなく、解決には辿り着かない。

そして、父親が千鶴との対話を望んでいる以上、再び会いに来る可能性がある。

その時、一緒にいる奴等が面倒くさい気持ちになる。

しかし、何故、俺は家族間の事を考えている。

人間に近い者の事だぞ?

やらなければならない事は他にある。

千鶴はしばらく考え、ため息をついた。
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