妖魔04~聖域~
「解りました」

問題解決は難しい。

だからこそ、何度か話し合うしかない。

千鶴は一言だけ言うと、歩いていく。

「男に頭を下げるのは癪だが、感謝しておく」

男も去っていく。

千鶴と話が出来るのなら、俺は家に上がってもいいのか。

俺は千鶴の後を追い、葉桜の家へと入る。

しかし、玄関に入ると、違和感を感じた。

嗅いだ事のあるニオイ。

一度だけ、裏世界に入った時の臭い。

「少しだけ待っていてもらえますか?」

千鶴が靴を脱いで上がろうとしたところで、俺は千鶴の腕を掴んだ。

「この家、少し気になる事がある」

ニオイは二階から漂ってきているようだ。

「え?」

「お前では気付かないかもしれない」

「一体、何が」

「少し、上がるぞ」

「え、あの」

俺は長老から貰った常備している眼鏡をかけて、二階へと上がっていく。

「あの、どういう事ですか?」

「どういう事、か。お前が知りたい答えはここにある」

俺の目の前には、あるはずのない扉が存在していた。
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