妖魔04~聖域~
葉桜丞の腕にしがみ付きながら、笑っている。

大昔の妖魔が、家の近所にいるのか。

大体の事は理解した。

俺は部屋から出て行く。

「刃さん!」

千鶴は驚愕の顔で出迎える。

「いきなり壁の中に消えたと思ったらまた出てきて、一体、何が起きたんですか?」

「これを掛けて、壁を見てみろ」

千鶴に眼鏡がかけると、驚いている。

「解ったら、中に入ってみろ」

千鶴は、壁の中へと消えていった。

何も知らない状況で壁の中に入ったら驚くのも無理はない。

出てくるまでしばらく待つ事となった。

着物の娘の写真を見ながら考える。

今のところ妹しか兄の記憶を失っていない情報しかないが、果たして妹だけと考えるべきか。

誰も入る事が出来ない裏世界に部屋が消えている。

ならば、妹だけではないと考えるのが妥当だ。

他人の記憶を消す事のメリットは?

自分の存在を消さなければならない何かがあった。

誰かに発見される事を拒み、消した。

だが、消す者の指定が出来ないのは、デメリットとして大きい。

逆に、メリット、デメリット関係なく本人の意思を無視して消えてしまったと考えるのならどうか。

友や妹の記憶を消したい者は、普通いない。
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