妖魔04~聖域~
どこを歩いても後ろを付いてくる。

過去から現在にかけて、燕は同じ行動を取る。

親が決めた許婚でも、同意の下の恋人でもない。

それでも、燕は変わらず、後ろを付いてきた。

「おい」

「私とベッドインしたいのなら、早く言えばいい」

「本当に情報を知っているのか?」

燕の話は流す。

「私は嘘をいってないぞ」

常日頃、信じがたい言動を取っている分、怪しい。

だが、聞かなければ、いつまでも付いてくるだろう。

「何処だ?」

「仕方がないな。お兄ちゃんがそこまで言うのなら、教えてやる」

燕は自慢げに前を歩いていく。

無言で俺は後を付けていくと、高校近くの廃ビルの中へと誘われる。

奥へ進み続けると、魔法陣が地上に描かれていた。

「本当だったとはな」

「今ならいいぞ。私の胸に飛び込んで来い!」

「礼ぐらいは言っておく、ありがたい」

「さすが私の旦那だ。愛が止まらないな」

暴挙に構うと調子に乗る。

魔法陣に乗ると、光が溢れ自動的に転送が始まる。

転送の魔法陣で在る事は、里の蔵にある文書に書かれていたので知っていた。

勉強は嫌いだが、特殊な技術を好む傾向にある。

魔法陣を作ったのは太古の妖魔、龍王だという事も知っている。

今は死んでいるがな。
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