妖魔04~聖域~
辿り着いた先は、野原だった。

前方には神殿がそびえている。

「女の根城か」

燕が後から転送されてきた。

「青い空、緑の地。まさに絶好日和」

抱きつこうとしたところで、裏拳をかまして、周囲の様子を伺う。

危険はない。

しかし、気配を感じる。

「出て来い!」

神殿の奥から出てきたのは、写真の面影を残した成人の女。

隣には長刀を帯刀した長身の眼鏡の女。

「そなた、また戻ってきたのか」

「唐揚げが上手かったからな」

「良かったのう、紅玉」

「ありがたきお言葉」

以前、唐揚げを食したという言葉も本当だったか。

「隣におるそなたは最近越してきた者か」

「私のフィアンセだ」

「嘘を言うな」

ソバットで沈めて、女に向き直る。

「聞きたい事がある」

「情報を与えるのは良いが、まずはそなたの事を話してくれぬか」

限られた情報ならば、問題はないだろう。

「犬神刃だ」

「ワラワは龍姫。ここの主じゃ。して、聞きたい事とは何か」

転移魔法陣は上級技術だ。

使える者は限られている事と、名前からして龍姫と龍王は何かしらの血縁関係があると考えてもいいだろう。
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