◇◆あじさい◆◇
慣れない空気を遮る様に、母はゆっくり口を開いた…。



『昔ねぇ、
風花が4年生ぐらいだったかなぁ…。』


『…えっ?』



『「おかあさん。タコさんウインナーが食べたい!」「おかあさん。もっとカワイイおにぎりにして!」ってね…。
風花ぁ、あの頃から、母さんのお弁当…嫌いだったんだよね…。』



私は悲しそうに話す母の顔を見れなかった。



『…ごめんね。
母さんが、風花との溝を深めてったんだね…。』



私は何も言えず、ただただ泣く事しかできなかった。
次から次へと止まらぬ涙は私のスカートにポタポタと落ちていった…。
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