◇◆あじさい◆◇
『…ごめんなさぃ…。』


私は、泣いて震える声で放った言葉に、これまでの全ての想いを込めた。



母は何度も頷き、堪える涙を隠す様に窓を眺めた。



『母さん、少し…眠っていい?』



『うん。』



しばらくすると、母は窓から漏れる日差しの中で微笑む様に眠った。目から一粒の涙を零しながら…。
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