◇◆あじさい◆◇
父が家に戻ると、外はすっかり日が落ちて暗くなっていた…。



『おかえりっ。』



『あぁ…。風花…。
ただいまぁ…。』


父は少し元気がない様子だった…。



『どうしたの…?』


『…うん。ちょっと、疲れた…。』


父はそう言って玄関に腰を下ろした。



『…ご飯、作ったんだけど…。』


私は、少し小さく見えた父の背中に声を掛けた。



『…ん?
風花が?飯を…?』


父は驚きながらも、嬉しそうに声を上げて笑った。



『味に保証はないけどねっ。』



私も恥ずかしげに笑った…。
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