それでもおまえらは、俺を合コンに誘うのか?
 人数が多いということは、そのぶん一つのポジションに対する競争率が激しいということになる。思った以上の茨の道となったエースへの争いに、和俊は武者震いした。

「はい、みんな集合!!」

 稲葉が部員達をホームベース前に集める。

 その声はとてもあの華奢な身体から出ているものとは思えないほど力強く張りのある、よく通る声だった。この声ならおそらく、甲子園に響く大歓声の中に在ってもよく聞こえることだろう。

 今朝はこいつのせいで甲子園に行けないんじゃないのかとまで思っていたが、稲葉の言動を見るにつれ、ジワジワと監督としての評価が上がって行く。

 案の定、稲葉がホームベースの後ろ、キャッチャーの定位置から放った声に、バックスクリーン近辺でキャッチボールをしていた部員達も一発でホームベース前に集まってくる。

「よーし、みんな集まったね。もうみんなも気付いてると思うけど、専大玉野からうちのクラスに転校して来た剣持和俊君が我が部に加わってくれることになったから、みんなよろしく」
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