それでもおまえらは、俺を合コンに誘うのか?
「君が専玉のエースだったのか……?」

「いやいや、わしよりもっとぼっけえ大榎っちゅうのがおってのう、そんなが向こう三年ずっと専玉のエースじゃわいや」

「???」

 会話が途切れた。どうやらコテコテの岡山弁を東京育ちの氏政には解読できなかったらしい。

「『いやいや、俺よりもっと凄い大榎てのがいてさ、そいつが多分引退するまでずっと専大玉野のエースだと思うよ』って意味だよ寺原君。一年生みたいだね、その大榎ってピッチャー。で、あたしはベンチからスピードガン撃ってりゃいいのかな?」

 スピードガンを持ってきた愛美が、やけに流暢な南関東弁で助け舟を出しつつ指示を仰ぐ。

「ありがとう。どうも馴染めなくてね、岡山弁。早めに馴染むように努力するよ。三田村はベンチからスピードガンお願い」

 愛美に指示を出す。

「にしても世の中広いな。君でも凄えと思うのにもっと凄えタメがいるのかよ」

 和俊に褒め言葉をかけてからホームベース裏へと戻り、

「カズ! もっかいストレートな!」

 と、再度のストレートを言下に要求し、氏政は腰を落とした。

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