それでもおまえらは、俺を合コンに誘うのか?
 和俊がモーションを起こす。相変わらず稲葉から上体投げと言われたフォームだ。

 今度のボールも小気味よい音を発てて氏政のミットに吸い込まれる。

「三田村、何キロだ!?」

 聞いたのはしばらく呆然としていた稲葉だった。

「ひゃっ、ひゃくっ、ひゃくごじゅう……、なな……きろ……」

 その数値は、日本の高校野球界最速の数値だった。

「確かに超高校級だな……。でも……」

 ほとんどの部員が驚愕の声をあげる中、稲葉が呟く。先ほどはそのスピードに呆気に取られてしまったものの、よく見てみると引っ掛かるものがあったのだ。

 受けていた氏政もまた、何かに気付いたのか、一瞬首を傾げている。

「三田村!」

 思い付いたように稲葉は愛美を呼び付けた。

「君ちょっと打席に入ってもらえるかな」

 超高校級左腕に対し、女子高生に打席に入れと指示を出しはじめた。

「嫌ですよ、あんなボール真正面で見て、ビビっておしっこ垂れちゃったらどうしてくれるんですか!」

 全くその通りである。

「いや、多分君なら大丈夫な筈だ。それと、打てると思ったら打って構わないから」
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