それでもおまえらは、俺を合コンに誘うのか?
「ん、見付けたみたいだね、その顔は」

 稲葉が満足気な顔で頷く。それほど和俊の顔には何かを探り当てた達成感が満ち溢れていた。

「監督、修正したわしのフォーム、見たってつかぁさいや」

「寺原ぁ! もっぺん剣持の球、受けてくれ!」

 和俊の要求に、キャッチャーを呼ぶことで応える。

 他のピッチャーの球を受けていた氏政が、相手に右手を胸の前で立てるジェスチャーで謝り、稲葉の下へ駆け寄る。

「剣持、もう気付いたんですか!?」

「そうらしいね。あの顔は成し遂げた人の顔だよ。何かをね」









 投手陣の投球練習に参加していたため元々フル装備の氏政は、和俊には声をかけず、まっすぐ定位置へと向かい、腰を落とした。

「よし来ーい!」

 大声で気合いを入れ、投球を促す。









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