それでもおまえらは、俺を合コンに誘うのか?
 和俊の変化は、モーションを起こす前から顕れていた。



 左足の爪先が一塁ではなく、一、二塁間に向いているのだ。



《こんなに短時間で修正して来るとは……。やるねぇ》

 その日の部活も終わらないうちに、きっちり欠点を修正してくる。

 そんな和俊に稲葉は頼もしさを感じ始めていた。

 振りかぶって右足を上げると、和俊の身体はくるりと回った。



 背中を打者に見えるほどに身体を捩る、いわゆるトルネード投法だ。



 必然的にそうなる。何せ左足の爪先が、後ろを向いているのだから。

 その姿勢から、ヒップアタックでもくらわすかのように尻から前に倒れていき、右足を前に出して身体を支える。

「さあ、この次だ」

 稲葉はマウンドプレートの上に乗っている、和俊の左足に注目した。








 左足の爪先を後ろに向けたまま倒れたため、今和俊の左足は、踵が三塁側を向いている。

 右足を地に付けたと同時に、彼はその踵を一塁側に向けた。

「正解」

 稲葉が誰にでもなく呟いた。

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