それでもおまえらは、俺を合コンに誘うのか?
「いっちゃん最初にブラッシュボール投げてきたやろ。あれでな、俺の性格見ようとしたんやな思うたんや」

 永富の読みは外れている。

 和俊としては、サインを決めている最中に言われた「どないしてんねん!」の時点で、既に【気が短い】と判断していたのだから。

「避けながら考えたでぇ。どうやったらこの小賢しい戦略、逆手に取れるか」

 どうやら永富は、頭脳派打者らしい。

「でな、とことん乗っかったることにしたんや。ここで『何すんねん!』ちゅうて次の球ブン回しときゃ、三球目は外低めに緩い球落とすか、内か外の高めに速い球外すかのどっちかやからな」

 だが、この読みは外れてはいなかった。

 この種明かしを聞いて、和俊は一つの可能性に思い当たる。

「……、……、おまえ、中坊までピッチャーか?」

 ここまで配球を先読みできるのは、まず間違い無くバッテリー経験者なのだ。

「いや、キャッチャーやってん。イナっちに『バッティングに専念してくれ』言われて、ファーストにコンバートやわ」

< 45 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop