狙われし王女と秘密の騎士
「ところで、エルシール国王はどこにおるかのぅ?」
気をとりなおす様に国王は声高くカイルを見た。
話題がエルシールに戻り、私は顔を引き締める。
「調べたところ、エルシール国王はおそらくまだエルシール城に幽閉されていると思われます。サルエル国王がエルシールに滞在しているようですので」
「エルシールか。それは確かか?」
「は」
カイルは確かだと言うように頭を下げる。
その先に控えたライも一礼したことから、サルエルの動きをライに調べさせていたのだとわかった。
国王もそれを見て深く頷く。
「では向かう先はエルシールで決まりだな。策はお前に任せる。準備が出来次第報告せよ」
「承知致しました」
カイルが頭を深く下げ話がまとまったとき、後ろの玉座の間の扉が勢いよく開いた。
「カイル!」