狙われし王女と秘密の騎士


思わず場にそぐわない大声を出してしまったが、そんなこと構っていられない。
だって、今国王からかなり衝撃的な言葉が発せられたのだから。
隣のカイルを見あげると気まずそうな顔をしている。


「カイルが、王子!?ナリエル国王子?」
「まぁ。うん」


ばれちゃったか、と言うような表情。
確かに上流階級かと思ってたけど、まさかのナリエル国王子だったとは。
驚きすぎて混乱する。
と言うことは、カイルは私が王女と知っていて、尚且つ、ナリエル国王子だから協力できたということだ。


「なんで言ってくれなかったの?」
「悪かったよ」


非難するわけではないが、結果的にそう聞こえてしまう言い方で尋ねるとしれっと謝られた。
全く悪いと思ってなさそうなんですけどね。

心を落ち着かせながらチラッとお頭を見ると、既に心ここにあらず。
ボーッと空を見ている。
驚き過ぎて、意識が飛んでしまったようだ。

そりゃあ驚くだろう。
なんたって、ずっと一緒に旅をしてたのが王族なのだから。
しかもそのひとりは自国の王女だし。


本当、お頭ごめん。

私は心の中でお頭に謝った。






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