狙われし王女と秘密の騎士

ーー


「あらあらあら!! いらっしゃい!」


家の扉が開き、驚きと喜びの笑顔が私達を迎えてくれた。
懐かしい顔ぶれだ。


「お久しぶりです。ナチさん」


私はナチさんの手をとった。隣のカイルにはバルがしがみついて喜んでいる。
そう。私達は以前泊まらせてもらった村のナチさんと息子のバルに会いに来たのだ。
ナチさんは私達を家の中へと通してくれた。


「元気そうで良かったわ。無事だったのね?」
「はい。ナチさん、その節はいろいろありがとうございました」
「なんでお礼いうの~? あ、バル。二人にお茶を出すから水を汲んできて?」
「え~!」


バルはカイルの膝の上で抗議の声を上げたが、シブシブ外に出て行った。
その後ろ姿は少し大きくなったように思う。


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