狙われし王女と秘密の騎士

「私だって逢いたかった」


胸いっぱいにカイルの甘い香を吸い込む。
安心する温もり。
カイルがちょっと身体を離して私を覗き込んだ。


「本当か?」


問いかけるその目が優しくて、なんだか恥ずかしくなってしまった。


「目、そらすなよ」
「だって、なんか恥ずかしい」
「恥ずかしい?」


カイルの手が頬に触れ、 指がスッと唇をなぞる。
ビクッと体が震えた。


「なら目、閉じたら?」



< 198 / 201 >

この作品をシェア

pagetop