狙われし王女と秘密の騎士
「カイ……んっ」
私の言葉はカイルの唇によって塞がれた。
身体が驚きで一瞬強張るが、次第にそれも解けていく。
背中に回された腕と頬に添えられた手が熱い。
チュッと音をたててカイルの唇が離れた。
ドキドキし過ぎて力が入らない。
腰にカイルの腕が回って支えてくれていなかったら座り込んでいた。
夢ではないのか。
すがるように、ぎゅっとカイルの服を掴んだ。
そうすることで、カイルの存在を強く認識し夢ではないと自覚する。
見上げたカイルの瞳は困ったように揺れていた。
「……そんな目、するなよ」
「えっ……?」
「離せなくなる」
「ちょっ」
さっきよりも強く求めてくるカイルのキスに、私は必死に応える。
もう頭がボーッとしてくる。
キスの上手いカイルに、私はすでにとろけていた。