迷姫−戦国時代
−−−−−

遥か昔に存在してた




”歌”があった




しかし今では禁じられ、忘れさられた歌










歌が途絶えたのは最期のあの宴・・・・赤く染まられた美しい満月だった











−−−−−






「娘さんは・・・旅人じゃな?」


この国の当主に投げ掛けられた言葉に美羽は言葉に行き詰まった

三人が連れられたのはこの国の城ではなく城下から離れた一軒の古びた家であった


美羽が押し黙っていれば男は次にこう述べた

「・・・では、質問を代えようか。娘さんは何故、あの”歌”を知っておったのじゃ?」


「「?」」

朝波と宮火はその言葉に眉をひそめた


「失礼ですが一体何の事を話ておいでで?」



「・・・悪いが二人には席を外してもらいたい。儂は娘さんと一対一で話したいのじゃ」

美羽はその言葉の意図に気づいた様子で二人へ向くと「・・・二人共下がって下さい」と伝えれば二人は渋々下がっていった






男は二人の気配が去ったのを確認すれば、向かい側に己を真っ直ぐ見つめている娘に視線をわざと外し棚に綺麗に置かれている琵琶を見た


「その様子だと、娘さんは気づいたのじゃな・・・否、姫君殿よ」


「もちろんです当主殿。数分前に宴で弾かれた最後の”あの歌”を覚えていらっしゃるのは私と、貴方様だけであると」





そう・・・先程二人が疑問に思ったのは美羽が歌った事態に、身に覚えが無かったためであるが寧ろこれは・・・



「歌の記憶そのものを消されたのじゃ」




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