迷姫−戦国時代
美羽が風呂に入っている間はまつが周囲を見張る役割であった
だがそんなまつの元に思わぬ客が来たのであった
「あ・・・!」
そのまままつを誰も居ない壁際に引っ張りだし、その者はまつの口元に指を指した
まつの目の前には妖艶に微笑んだ青年が現れたのだった。まつは青年を確認するや否や、目を見開いた後、次には頬を赤らめ小声で青年へと語りかけた
「いけません光彦様。いくら御子息様でもこの様な真似は・・・」
「フッ・・・それも良いがお前に頼み事がある」
まつは首を傾けるが光彦と呼ばれた青年は言葉を続けた
「なあに、お前に密通を頼みたいのだ。父上が漸く探しだしたと言われる千紫の姫とやらをな」
当然まつは首を横に振るが光彦はそれを分かっていたように次には条件を出した
「確かお前の家は農村の生まれだな。だがこれを機会にお前を名ある分家の養女に出してやるのも悪くないだろ。仮に父上にバレたとしてもお前を不憫にはさせない。・・・いいな?」
この頃は身分制度があり分家と農民とでは雲泥の差であった。農民から分家へと替わるのは大きな出世でもあったのだ。だからこの話にまつは躊躇していたが暫く考え決心したようで、深く頷いたのであった
「では酉の刻に「否、今見ておきたい」
今度こそまつは首を横に振ったが光彦はまつの耳元へ口を寄せた
「お前の頑張り次第でお前の家族の生活は楽になるのだぞ。問題は起こさないから案ずるな。なあにそれに、ほんの少しだけだ」
色気の含んだそれに、まつは顔全体を赤らめて「ほんの・・・少しだけですよ」と答えれば今度こそ押し黙ってしまった
光彦はまつを背に、静かに美羽が入っている風呂へと向かっていったのであった
だがそんなまつの元に思わぬ客が来たのであった
「あ・・・!」
そのまままつを誰も居ない壁際に引っ張りだし、その者はまつの口元に指を指した
まつの目の前には妖艶に微笑んだ青年が現れたのだった。まつは青年を確認するや否や、目を見開いた後、次には頬を赤らめ小声で青年へと語りかけた
「いけません光彦様。いくら御子息様でもこの様な真似は・・・」
「フッ・・・それも良いがお前に頼み事がある」
まつは首を傾けるが光彦と呼ばれた青年は言葉を続けた
「なあに、お前に密通を頼みたいのだ。父上が漸く探しだしたと言われる千紫の姫とやらをな」
当然まつは首を横に振るが光彦はそれを分かっていたように次には条件を出した
「確かお前の家は農村の生まれだな。だがこれを機会にお前を名ある分家の養女に出してやるのも悪くないだろ。仮に父上にバレたとしてもお前を不憫にはさせない。・・・いいな?」
この頃は身分制度があり分家と農民とでは雲泥の差であった。農民から分家へと替わるのは大きな出世でもあったのだ。だからこの話にまつは躊躇していたが暫く考え決心したようで、深く頷いたのであった
「では酉の刻に「否、今見ておきたい」
今度こそまつは首を横に振ったが光彦はまつの耳元へ口を寄せた
「お前の頑張り次第でお前の家族の生活は楽になるのだぞ。問題は起こさないから案ずるな。なあにそれに、ほんの少しだけだ」
色気の含んだそれに、まつは顔全体を赤らめて「ほんの・・・少しだけですよ」と答えれば今度こそ押し黙ってしまった
光彦はまつを背に、静かに美羽が入っている風呂へと向かっていったのであった