胡蝶蘭
ケータイを開いて、慎吾にありがとうとメールを打つ。



暗い部屋に明かりが漏れた。



目がチカチカするのを我慢して、メールを送信した。



パタンとケータイを畳んで、布団に顔まで埋める。



「さむ~。」



あったまらないなぁ。



お願い、風邪ひきませんように。



引いたら後が面倒だ。



伯母さんにはぐちぐち言われ。



匡には、誓耶が動けないのをいいことにみんなが留守な間中抱かれ。



前の風邪引きのときは散々だった。



こんなでは治るものも治らない。



寝よう。



誓耶はギュッと目をつぶって、楽しいことを考えた。



















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