初恋の向こう側
バイトの帰り道、オサと電話しながら歩いていた。
昼間の小野崎とのことを話したら言われた。
「何をそこまでムキになってんだよ?」って。
「だって、先にあっちが言ってきたんじゃん! 何がイケ好かないだ、あのヤロー。
大体、スポーツやってる人間があんなチャラいなんて俺的に許せないんだよっ」
「ああ、サッカー部のチャラ男だろ?
ウチの愛莉ちゃんも言ってたな。『サッカー部で、あの髪はない!』って」
「だろーっ?」
髪型も剃り過ぎの眉毛も、やり過ぎの腰パンも喋り方も……なんつーか全部ダメ。受けつけないんだ。
そんな男にあんなムカつく態度とられて、怒らずにいられっかよ。
しかもアイツ、どうもヒロのことが好きみたいだし。
そんで俺につっかかって来たんだとしたら、余計に黙ってなんかいられないじゃん?