初恋の向こう側
6月。
黒板には、縦書きで右から順番に
男子・サッカー、バレー
女子・ソフト、バレー
の文字。
クラスメイト達は各々前へ行き、空いている場所へ自分の名前を書いている。
しばらくそれを眺めていた俺もおもむろに席を立ち、教壇まで歩きチョークを握った。
そして、自分の名前を書いた。
”サッカー” と書かれた後ろに ──
来月行われる球技大会の種目決めをしていた。
席に戻る途中、何か言いたげな小野崎と目が合って、だからあいつの席まで行き言ってやったんだ。
「俺は、サッカー部じゃないから出れるんだよね」
ってさ。